NEW
著者:
吉本 圭一 (編集), 江藤 智佐子 (編集), 椿 明美 (著), 田中 光晴 (著), 和田 佳子
商品コード:
9784867730904
サイズ:
A5判
ページ数:
204
発売日:
2025/3/7
通常価格(税込):
2,860
円
販売価格(税込):
2,860
円
ポイント:
0
Pt
本書は、教育と職業の界をつなぐ「国家学位資格枠組」(NQF)に焦点を当てており、教育の成果と職業におけるコンピテンシーを共通の言語でつなぐツールとしています。
NQFは、20世紀末にアングロサクソン諸国から始まり、世界各国で取り組みが進み、日本や東アジアでも広がりを見せています。特に、本書では日本と韓国における基準づくりの取り組みを通じ、ビジネス分野における政策から教育現場の実践までを考察します。
NQFは、学修者や職業人が共通の価値や基準を明らかにし、教育と職業の異なる界を越えるための重要なコミュニケーションの手段です。これにより、学修者や職業人のキャリア形成を支援する役割を果たしています。日本の状況としては、「イエ社会」と言われる構造のために、公的な価値が育ちにくいことが示され、特に第三段階教育の分野では顕著な格差が存在します。
韓国においても同様の「イエ社会」の構造がありますが、NQFの基準策定が進んでいることが挙げられ、その違いについての探究が課題となります。
本書は、教育と職業社会のダイナミクスを分析し、NQFの世界的な展開を確認することで、日本と韓国におけるNQF基準の議論の歩みを検討します。具体的には、日本の職業と教育の界をそれぞれ見ながら、韓国の国家職務能力基準(NCS)が教育政策ツールとしての転換過程を辿る様子を描きます。最終的には、第9章で日韓のNQF展開の違いを論じ、日本の教育と職業界の未来に対する示唆を提示することを目的としています。これにより、第三段階教育と職業がどのようにつながるかを教育社会学の観点から探究する第一歩となることを目指しています。