上 巻
第一章 続楊貴妃文学史研究(『楊貴妃文学史研究』研文出版 二〇〇三年の続篇)(次の章節も関連する。二章一、五節。四章一、三〜七節。)
一 楊貴妃戯曲史研究小序
二 「開元天寶遺事」の傳本について ―日本傳存の王仁裕自序をめぐって―
三 楊貴妃伝説の虚と実 ― 「長恨歌」『長生殿』を中心に―
四 明曲『驚鴻記』に描かれた虚像の梅妃
五 楊貴妃伝説としての京劇「貴妃酔酒」―北京京劇院日本公演に寄せて
六 玄宗と楊貴妃 ―盛唐中国の繁栄と終焉
七 楊貴妃という人物
八 楊貴妃を描いた文学
九 淸代小說の飜案と飜譯をめぐって
九 淸代小說の飜案と飜譯をめぐって
―褚人穫『隋唐演義』を和文に飜案し、中文に飜譯された宮崎繁吉『楊貴妃』 ―
第二章 白居易研究
一 中唐の「尤物」論と「長恨歌」の「恨」
二 白居易と天宝の遺民 ― 「贈康叟」詩をめぐって―
三 余韻千年に嫋嫋たり 唐・白居易の「琵琶行」
四 呉偉業「琵琶行」における白居易「琵琶行」の受容
五 呉偉業「永和宮詞」における白居易「長恨歌」(および元稹「連昌宮詞」)の受容
六 袁枚と白居易が詠んだ杭州西湖詩
七 詩日記とともに辿った白居易の貶謫の道
第三章 中国文学史研究
一 杜甫「春望」詩における花と鳥
二 異郷と帰郷 ―杜甫「詠懐古跡五首」其三(王昭君)の繋年と解釈―
三 一生心事杏花詩 ―元好問の杏花詩について―
四 弘治本『西廂記』に付載する朙・張楷「蒲東崔張珠玉詩集」について
五 明治日本の『支那文学史』と清末民初中国の『中国文学史』
六 日中『中国文学史』の初期著作における「西学東漸」
七 『支那文学大綱』と田岡嶺雲
八 新羅・崔致遠と晩唐・顧雲の交遊について
第四章 日本文学史研究
一 源氏物語の秋と長恨歌の秋
二 平安・嵯峨帝の「王昭君」詩と藤原佐世の『日本国見在書目録』
三 唐・陳鴻の「長恨歌伝」を和文化した平安・源俊頼『俊頼髄脳』の「長恨歌伝」
四 対句から見た『唐物語』楊貴妃説話における「長恨歌」「長恨歌伝」の襲用
五 善人安禄山の登場 ― 『今昔物語集』巻十の楊貴妃説話と「長恨歌伝」―
六 筑紫に移り住んだ楊貴妃 ― 『本朝水滸伝』の楊貴妃故事について―
七 九州に亡命して女刺客となった楊貴妃― 『本朝水滸伝』楊貴妃故事の嘘から出た真実―十 広瀬旭荘「論詩」と広瀬淡窓「論詩」八 詩人南冥
九 頼山陽の論詩絶句と袁枚の論詩絶句
十 広瀬旭荘「論詩」と広瀬淡窓「論詩」
下 巻
第五章 王国維研究
一 王国維試論 ―その詩人としての憂鬱―
二 王国維の詞について ― 「人間」の語の意味するもの―
三 王國維の境界說と田岡嶺雲の境界說
四 王国維「頤和園詞」と呉梅村「永和宮詞」
五 王国維「頤和園詞」の諸本と訓解
六 王国維「頤和園詞」にみる西太后の宮廷生活
第六章 清朝文学史研究 (次の章節も関連する。二章四〜六節、七章二〜五節。)
一 西廂記、還魂記と紅樓夢をめぐる夢の發展 ―現實の中の夢から夢の中の現實へ―
二 朱彝尊の遺民意識
三 盤山に集った清初文人(宋犖・王士禛・朱彝尊・洪昇)と智朴『盤山志』について
四 康熙十八年博學鴻詞科と淸朝文學の出發
五 論詩絕句にあらわれた王士禛の明代文學批評
六 『己亥雜詩』に現れた自珍の「落芲」意識
七 自珍における詩の原理
八 乾隆時代と自珍
九 『説倭伝』から『中東大戦演義』へ
第七章 孔子聖蹟図研究
一 元・兪和『孔子聖蹟図』賛を踏襲した明・張楷『孔子聖蹟図』賛について
二 朙淸文學史から見た淸・顧沅の『垩蹟圖』贊詩
三 『聖蹟全図』(康熙二十五年序刊本)を踏襲した清末・顧沅の『聖蹟図』
四 顧沅『聖蹟図』賛詩訓釈(上)
五 顧沅『聖蹟図』賛詩訓釈(下)
六 林羅山『聖蹟図説諺解』に佚存する明・鄧棨の跋について
あとがき